天童荒太;悼む人

  • 2009/04/04(土) 22:08:54

新聞やラジオ 雑誌で知りえた見ず知らずの死
それを訪ね歩く青年 静人
死んだ方は 誰に愛され 誰を愛し 誰を感謝したか
それを確認すると 彼は人よりも少し大きめの手のひらを
地と天とに向け 胸にその手を合わせ 胸に刻む

誰もが忘れ去っていかなければ先へは進めないと
忘れようとする死
雑誌やテレビで日々流れるように放送され 垂れ流される死

どの死も 無駄な死はないと 僕は絶対忘れないと
悼みながら旅をする青年

青年が旅をしている中
母がガンで 彼女の死は刻々と 静かに迫っていた
妹は時を同じくして新しい命を宿し まさに母の死と同時進行で産もうとしている

死を忘れないと誓う男の生きる意味 旅の意味


まだ私はこの本の意味するところが理解できないでいる
咀嚼しきれない

ただ 本の中で雑誌記者がいうには 旅の同行者倖世が思うのは
ジブンは一人じゃない
誰の記憶にも残らないつまらない人間で終わるわけではない
きっと彼が自分のことを 生きている限り覚えていてくれるという
安心感だけはかけがえがないものとして 最後には受け止めているということ

うーん それすらまだ咀嚼できない

ジブンの愛する人が 自分のことを 一番でなくていいから
心の片隅でいいから 覚えていてくれればいいのではないか
と 思えるから。